みなはわらわに願いを言うが、
わらわの願いはだれにも届かぬ。
どんなに頑張っても、わらわの願いを聞き、届ける者など
おらぬからの。
大事な時だけわらわを頼り、失敗したらわらわを責める。
もういっそ、うつしよで普通の子として生まれたかったわい。
しかしのう、たった一つ、していたいことがあるのじゃ。
「みなの幸せを見届けること」、それこそ、わらわの見ていたいものじゃ。
どんなに苦しくても、どんなに不自由でも、
人間はみな幸せをつかむ。
その瞬間が、わらわにとって一番の時間なのじゃ。
これだから、神様はやめられぬ。